こんにちは!
『FTMつよしくんの気になる言葉を考えるよ』ブログにお越しくださいましてありがとうございます!
今回は、以前の投稿で話した『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』について書いていこうと思います。
ぼくが実際に診断してもらうまでにどのようなステップを踏んでいったのかということを含めて話していくとわかりやすいかなぁと思うので、そのような流れで行きましょう!
その前に、以前の記事を読んでいない方や、このガイドライン自体が何なのかを知りたい方はこちらも併せて読んでみてください→性同一性障害の診断基準
『性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン』
さて、まずは大まかな流れです
- ジェンダー・アイデンティティの判定
- 身体的性別の判定
- 除外診断
- 診断の確定
こう書かれてもなかなかピンとこないというか、具体的に想像はつかないかもしれないですね(+_+)
一つ一つ話していきますね。
1.ジェンダー・アイデンティティの判定
ジェンダー・アイデンティティとは、『一人一人が持つ性に対する考え方』みたいなことなのだとぼく個人的には思っているのですが、厳密なことは言えません。そもそも『アイデンティティ』っていう言葉を考えようとしただけでまた新たなWEBサイトがひとつ作れちゃいそうですのでね…(笑)
この項目ではどんな診察をするのかと言うとガイドラインでは…
(1)詳細な養育歴・生活史・性行動歴について聴取する。
日常生活の状況、たとえば、服装、人間関係、職業歴などを詳細に聴取し、現在のジェンダー・アイデンティティのあり方、性役割の状況などを明らかにする。
要は、あなたの子供の頃から現在までの話を教えてくださいー!ということです。ぼくも子供の頃から順を追ってひたすらカウンセラーの先生に思い出を話すターンが続きました。
そう、一日じゃ終わらないんですね、これ(笑)
ぼくの場合は、幼稚園、小学生、中学生、高校生、大学生…みたいな区切りで何回か通院して話しました。たぶんどこもそうじゃないかなぁと思うのですが、どうなんでしょう?(笑)
話す内容は、ぼくの場合はどんな子供でしたか?みたいなことから始まって、友人関係やその当時思っていたこととか…家族構成なども本当に様々聞かれましたね。
ちなみに、ここでどんなことを話しても否定されたり、あなたやっぱり性同一性障害じゃないよって言われたり、そういうことはないです。
ぼくは男性と交際したこともありますし、それも話しました。
だって男性と付き合ったら治るかと思ったし、何より、世の中の女性は嫌々男性と付き合っているんだろうなと疑いもなく思っていたので(笑)
そこのところは、ぼくが多少おかしいのかもしれないのですがw
ぼくはわりとそうやって自分を保っていたところがあるため、盛大に振り切った勘違いがわんさか出てきたんですよねー
日々新しい自分の発見でしたね(笑)
そういう話の中で、自らの性別に対する不快感や嫌悪感を話していった感じです。
例えば、幼稚園の頃はお誕生会で男子は青いズボンの衣装なのに自分は女子で赤いスカートを履かされたのが嫌だったとか。ホントそういうこまかーいことから全部話すんです。で、その時どう思ってどうしたのか、とか。
ちなみにぼくは泣きわめきました(笑)あとは、これ着なきゃいけないなら幼稚園行かない!!!!って…泣きわめいたりとかwwww泣いてばっかりかwwww
でもぼくの両親、特に母は本当にぼくを理解してくれていたんだなぁと思います。ぼくの母はおもちゃをねだって泣いてみても全く許してはくれなかったけれど、性別に関することではどんなわがままも怒られた記憶が一切ないんですよね。絶対に何とかしてくれたし、否定されたことは一度もなかったように思います。
どんなに男の子みたいな恰好をしても、いつも『似合ってるね、良いね!』と言ってくれてたんですよね。
この養育歴を話すターンで、ぼくは改めて母に感謝の気持ちが溢れたし、自分自身とも向き合うことができたと思います。
人によっては話したくないこともあると思いますし、辛い思い出もあるとは思うんですけど、そこはプロのカウンセラーの先生が相手だから頼っていきましょう(笑)ここで吐き出せなかったらこの先、性別を変えて生きていくなんてきっとできないですから。
その他、性別の違和の実態を明らかにするという点では、反対の性別に対する強く持続的な同一感、反対の性役割を求める、みたいな部分もこの養育歴お話ターンに見られるようです。
まぁ、ぼくとしては、診断をもらうために話したんだけど、そのためのプレゼンテーションではないのでね。
先ほども少し言いましたが、これを言ったら診断がもらえないんじゃないかとか、そういう風に考えるのは違うと思います。
自分は自分を男だと思ってて、そんで男として生きたいって本気で、というかそれが自然なんだと思っているなら、間違った診断はされないし、もしその診断が気に食わなかったら他の医者に行けばいいじゃんとぼくは思ってます。
結局大切なのは、養育歴うんぬんじゃなくて、自分はどう生きていきたいのか、ということが大切なので
養育歴お話ターンは思い出を話しながらもう一度自分と向き合ういい機会くらいに思っていればいいと思います。
2.身体的性別の判定
これは、性同一性障害に関する診断をするにあたって、その人が持つ性別違和や不快感は身体的な疾患や染色体異常から起因しているのか、していないのか調べる必要がある為です。
非常に残念なお知らせではありますが、ぼくらFTMは婦人科へ、MTFは泌尿器科へ行くこととなります。
身体的性別の判定がなぜ必要なのかと言うと、ぼくらが自分の身体の性別に違和感を持っているのは性器や染色体の異常で何らかの病気が起因していないことを証明しなければいけないんですね。
ちなみにぼくは脳波の検査とかも受けました。
身体的疾患は起因していないということを証明するためです。
自分らしく生きたいって言ってんのにいきなり婦人科に行かされるこの幸先の悪さ…(笑)
前途多難すぎて心折れそうでした、ぼくは。
いや、何なら折れた(笑)
婦人科では、染色体検査(採血)、ホルモン検査(採血)、内性器ならびに外性器の診察ならびに検査をします。
ぼくこの検査が一番つらかったしもう二度とやりたくない検査です。婦人科なんて絶対二度と行かないってこの時に心に誓いました。
今のこの医学をもってしても、中に器具を入れないと検査できないなんて何のためにお金使って医療の研究してんだクソがぶっ飛ばすぞ!!!!!って今でも思ってます。(笑)
子宮と卵巣が元気かどうかを見なきゃいけないんですね。
で、膣から器具を入れますという…もう、は?ですよ。ぼく実際とても穏やかな性格で、初対面の人には絶対にそんな態度取らないんですが、さすがにこの時はごねましたね~(笑)
他に方法はないんですか?って。
絶対あるでしょ?エコーで良いじゃん!みたいにかなりケンカ腰に言った記憶がありますね。いやでもやらなきゃダメなんです、いや無理です、の攻防の末、どうしてもと言うなら…膣ではなく肛門から入れる方法もありますけど…
結局入れるんかーーーーい!!!!
(笑)
その時は膣と肛門何が違うんだwwと思ったんですが、今思えば確かに膣に器具入れられて見られるより肛門の方がマシだと思います。
膣にって考えたら、無理だ。考えただけで死にたくなりますね。
ここのところは人それぞれだとは思いますが…
ちなみに、肛門はめっちゃ痛いです。(笑)
いだだだだだだだだーーーーー!!
って叫んだ(笑)あれは叫ばざるを得ないですよ。
でもまぁ、身体的痛みを一瞬だけ請け負うか、プライドを捨てるか…
ぼくはプライドなんかねぇ!と思ってましたけど、ありましたね、捨てられないプライドが。こうやって医学に試され強くなっていくような気がします(笑)
3.除外診断
これはどういうことかと言うと
(1)統合失調症などの精神障害によって、本来のジェンダー・アイデンティティを否認したり、性別適合手術を求めたりするものではないこと。
注:統合失調症等他の精神疾患に罹患していることをもって、画一的に治療から排除するものではない。
(2)反対の性別を求める主たる理由が、文化的社会的理由による性役割の忌避やもっぱら職業的利得を得るためではないこと。
という具合です。
何となくわかると思うのですが、精神的に冷静な判断が出来なくなっている状態が原因で性別違和を主張しているというのはきちんとした診断ができませんので、まずはそちらの治療からやりましょうね、という話ですよね。
それと(2)ですね。これって意外いるというか。
まだホルモン治療もしてない頃もしくは、ホルモン治療を始めた初期の頃にカミングアウトをすると、必ず一人くらいは『私も本当は女なんて嫌でさ、男になりたいって思うから何となく気持ちわかるよ』って言ってくる方がいたんですよね。
説明するのが面倒だったので、テキトーにそうですよねーと流していたんですが、女が嫌だから男だって言ってるわけではないからな?ってことですよね(笑)
今はそんなこと言ってくる方はぱったりいなくなりました。
恐らく、ぼくがほとんど完全に男にしか見えないからでしょう(笑)
初期の頃はまだ多少中性的な雰囲気で、それくらいのボーイッシュならわかるー!みたいになってしまう方がいたんだと思います。中性的って憧れるよね!!!みたいな。ぼくはシティーハンターの冴羽 獠のような男になりたいんですけどね!!!!!
今はもう、言わなきゃ女だと気付かれないため、カミングアウトしても変に共感してくる人はいないです。よかった。(笑)
4.診断の確定
(1)以上の点を総合して、身体的性別とジェンダー・アイデンティティが一致しないことが明らかであれば、これを性同一性障害と診断する。
(2)性分化疾患(性染色体異常など)が認められるケースであっても、身体的性別とジェンダー・アイデンティティが一致していない場合、これらを広く性同一性障害の一部として認める。
という感じです。
(2)については、性染色体異常、ぼくが知りうる限りではインターセックスと呼ばれるもので、先天的に両方の性器を持っているという障害です。
これもまた今度きちんと書こうと思います。
治療したい場合は2人以上の精神科医に
ガイドラインでは、当事者に不利益が起きないよう(治療は不可逆な為)確実な診断と判断ができるように、2人以上の精神科医が一致して性同一性障害だと診断することで診断が確定するという風に定めています。
ただし、身体的治療(ホルモン治療や性別適合手術など)を望まない場合は1人の精神科医の診断でも問題はないようです。
ぼくは初めての受診の日に、ホルモン治療とおっぱいを取る手術をしたいです!って言っていたので、先生もその流れですぐに進めてくれた感じでした。
と言っても、養育歴お話ターンを2回やるだけで、身体的検査は一度やった結果を2人の先生に提出すれば問題ないのでご安心を(笑)
あとは心理テストみたいなものもやらされましたが、あれが何だったのかはよくわかりません(笑)まぁ、問題なかったのでしょうw
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ガイドラインを読んだりすると診断までかなり時間かかるのかな?とか、面倒だなと思うかもしれませんが、ぼくらがやることはそんなにありません。
病院に行って思い出話をして、一度だけ婦人科に行って検査をするだけです。
言ってみたらこんなもんです(笑)
想像しただけでは大変そうなイメージで、実際にやるとめっちゃシンプルだったということってよくあると思うんですよね。
でも、それで一番もったいないことって、やればできるのに大変そうなイメージというだけで諦めたりしり込みしてしまうことだとぼくは思ってます。
なんでも一旦やってみないとわからないんですよね。
もしも病院に行って色々話をして自分でも考えて、それで、やっぱりまだ迷いたい!ってなるなら、それも精神科の先生はゆっくり聞いてくれると思いますよ。
治療しなくても気持ちは楽になりますから。
世の中の正解じゃなくて、自分の正解を探しましょう!!
ぼくもまだまだ道の途中です。
読んでいただきありがとうございます!
それでは、また!